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~散花~
第19章 絶望
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――どうしてこんなことに…どうしてこんなことに…どうしてこんなことに…
熱に浮かされながら玉蘭はうわ言を発していた。
高熱は数日続いた。
呂栢が忍んで来てくれて、褥と毛布を用意し、玉蘭を着替えさせ、鞭痕と火傷で痛々しい下半身を手当てしてくれた。
「鶯燕館は所轄外にて…なかなか容易く伺えずに申し訳ありませぬ」と、呂栢は苦しげに詫びていった。
他には誰も、看病に来てくれる者はいなかった。
(わたしはこのまま死ぬんだわ…)
それでもいい。
もう、どうでもいい……。
玉蘭の心は闇に呑み込まれていった。
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