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~散花~
第31章 その夜…
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「ではこれを明日、人事院の者に渡せばいいのね」
呂栢が用意した雛型に自筆で署名し、玉蘭は確認した。
「はい。これで范玲利さまも後宮に参内可能となりましょう」
「ええ、良か…っ…た…ふぁ…」
大あくび。
呂栢が微笑む。
「今日はお疲れになったでしょう。そろそろ寝所へお戻りになりますか」
「そうね……」
目をこする。
「明日もまた忙しい1日になりましょうから、今夜はゆっくりお休みください」
「ありが…と…」
そのまま長椅子に横たわろうとするのを呂栢に止められ、呂栢が呼んだ女官に手を引かれながら玉蘭は寝所へ戻った。
夢うつつ、女官に寝巻きへ着替えさせてもらった気がする。
羽毛の寝具。
(気持ちいい…)
玉蘭は、久しぶりに穏やかな心地で深い眠りへと引き込まれていった。
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