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~散花~
第32章 朝見
「芙蓉さまは、帝の弟君とお会いになったことはありますか」
「弟君……ご同腹の秀瑛殿下のことでしょうか」
「ええ、そうです」
「陛下のご即位の折にお見掛けいたしました。殿下は都大路にご自分のお屋敷をお持ちですから、後宮…白虎殿にはたまに滞在される程度のようでございますね。私たちがお目にかかることは滅多にありませんよ。なぜ殿下のことをお気になさるのですか」
じとー…
芙蓉の疑わしげな眼。
「いえ、べつになんでもないです!!」
顔の前で必死に手を振った。