この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater16.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~散花~
第33章 覚悟
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「自分より格上が入内してくれば、趙芙蓉は必ず南殿を明け渡す。そう踏んでおまえを第一夫人にしてやったんだ。案の定、だったろ?」
得意気に目を細める。
やはり、すべては秀瑛の根回し通りなのだ。
玉蘭は不意の胃痛に襲われた。
(まただ…)
きゅー、と胃を捻り潰される感覚。
玉蘭は深呼吸した。
「秀瑛さま、そのことなのですが…。わたし、この舎殿を出ようかと思います」
「なぜだ」
「わたしが芙蓉さまを追い出したように皆に思われて、ツラいんです。皇后さまからもお叱りを受けました」
悪意のある視線ばかりに晒され、今さらながら、自分は分不相応な場所に立ってしまったのだと気づいた。
「なんだ。たった二日で、もう弱音か」
秀瑛が鼻で笑う。
![](/image/skin/separater16.gif)
![](/image/skin/separater16.gif)