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~散花~
第33章 覚悟

「それなのにおまえは、采女は嫌だの、第一夫人では他人から妬まれるだの。さっきから不満ばかりだな」
「…………ごめんなさい」
「はっきり言っておくが俺は、気楽な三食昼寝つきの遊蕩三昧をさせてやるためにおまえを後宮へ入れたわけではない」
再び尻を撫でられる。
「おまえには、果たしてもらわねばならない役目がある。第一夫人の地位もこの南殿も、そのために必要な道具だ。だから俺の許可なく勝手に住まいを変えたりするなよ」
「役目…て、なんですか? わたしは何をすればいいのでしょうか」
玉蘭はなんとか秀瑛の手から逃れようと身体を捩りながら尋ねた。
それはずっと気になっていたことだった。具体的に分からなければ、覚悟の決めようがないではないか。
しかし秀瑛はしばらく思案したあと、
「じきにわかる」
とだけ答えた。

