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~散花~
第3章  処女

「行きなさい」

玲利に促されて、玉蘭は弾かれたように顔を上げた。

「玲利さまは一緒に来てくださらないのですか?」

とたんに心細くなる。

「この梨香殿は采女や女官の詰所よ。なぜ貴人の私が足を踏み入れなければいけないの」

玲利は気高く眉根を寄せた。

「何かあったら、後見人は范貴人だと言いなさい。終わったら、松風殿の私の舎殿に来るのよ」

そう言い残すと、玲利は背を向け行ってしまった。



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