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~散花~
第35章  初夜

格子戸の前で足音が止まった。

侍従か内官か、二言三言なにやら言葉を交わしているらしい。

やがて、

「陛下のおなりでございます」

戸が開いた。

入室する人の気配。

玉蘭は両手をついて額づいた。その前を、風格に満ちた足取りが通りすぎる。

そして――

「顔を見せよ」

深みのある低い声が降ってきた。




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