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~散花~
第35章 初夜
「進みて禦ぐべからずは、その虚を衝けばなり。退きて追うべからざるは、速やかにして及ぶべからざればなり。ゆえにわれ戦わんと欲すれば、敵、塁を高くし溝を深くするといえども、われと戦わざるを得ざるは、その必ず救う所を攻むればなり……」
つっかえながらも漢文を読み下す。
朗唱するうちにだんだん口が回り始め、ページを繰る手も速くなった。
でも……。
やっぱりなんだか、
(ちょっとちがう…)
玉蘭は内心泣きそうだった。
(だって…初夜というのは、もっとこう…)
くんずほぐれつ四肢を絡めて、甘く気恥ずかしいひとときを楽しむものだと思っていたのに…。
どうして兵法なのよ~~~!!
35章 完