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~散花~
第39章 心のゆくえ
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「久しぶりね」
10日ぶりだが、ずいぶん長いこと会っていないような感覚だった。
「なかなか紅梅宮へ参上できず申し訳ありませんでした、琳夫人さま」
「ろはくのしってるひとー?」
姫が呂栢の足元にからみつく。
「お父上のお妃さまですよ」
寡黙な鷹と、ピヨピヨとあどけないヒヨコのような取り合わせに、玉蘭は頬を緩めた。
「こちらは帝と皇后さまの第一皇女、美紅姫さまです」
後宮内で呂栢は今、「美紅姫の躾係りを仰せつかっております」と説明した。
「こんにちは」と、上手にお辞儀をした美紅(ミク)姫に挨拶を返しながら、玉蘭は秀瑛の言葉を思い出していた。
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