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~散花~
第39章 心のゆくえ
「きっと玲利さまもお喜びになります。ご存知ですか、玲利さまが都にお戻りになったこと」
「そうなの!?」
「はい。月の終わり頃には、後宮へおいでになります」
「そう…良かっ…た…」
歯切れが悪くなる理由が玉蘭にはあった。
秀瑛には「女官や内官を近づけるな。親しくなるな」と釘を刺されていたが、どうしても玲利だけは傍にいてほしくて、秀瑛にも加蓮にも内緒で典侍の推薦書を出していたのだ。
(秀瑛さまを説得しなきゃ…)
また勝手なことをして、とお仕置きされてしまうだろうか。
玉蘭は肩を落とした。