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~散花~
第40章 みだれ髪
ぺろ…
舐めたのは、本能的だった。
「くっ…おいっ!」
(そういえば、房中術でも習ったっけ)
くすくす…、懐かしいなぁ鶯燕館。あそこにいた時は、まさかこんなことになるなんて思ってもみなかった。
そんなことを内心考えながら、玉蘭は舌先を這い回らせた。
「おいっ…やめっ…!」
玉蘭は一心不乱に秀瑛を舐め上げた。
「やべぇ…って…」
秀瑛のそこはこれでもかと剛直していた。
「おいっ!! 出ちまうだろうがっ!」
ついに秀瑛が玉蘭を肩ごと押し倒して、そこで玉蘭はようやく我に返った。
秀瑛が上気している。獰猛な獣のように眼を光らせている。
しかし玉蘭は恐怖を感じなかった。
あぁ、わたしはこの人に喰われるんだ――
玉蘭の心を満たしたのは、しみじみとした幸せと万感の思いだった。
40章 完