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~散花~
第43章 謀り事
「けれど、これをいったいどうやってあの方にお飲ませするのですか」
別の女官が声をひそめた。
「普段の食事は、あの方の御付きが厳しくお毒味をしているそうでございますが…」
「ええ、知っているわ。だから、今度の中元節に決行します。その宴席でうちのお妃さまは、あの方の隣りに座るわ。もちろん、わたしはお妃さまのおそばに侍ることが許されていますから、機を見て、わたしからあの方にお酌することにしましょう」
内侍は妖しい笑みを浮かべた。
43章 完