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~散花~
第44章 傷心と浄化
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抜けるような青空の下、楽士の管弦楽で宴が始まる。
数ある後宮の年中行事の中でも、地官大帝を祀る中元節は、すべての宮女が列席を許される盛大な祝祭である。
あちこちに立てられたカラフルな幟が風にはためき、祭りの空気を盛り上げている。
長々と幾重にも据えられた台盤には豪勢な料理がところ狭しと並び、蟻のように群がった女たちが思い思いに手を伸ばしている。
建前は無礼講ということもあり、普段は控えめな下級女官や雑仕女たちも、いつもは見栄を張って気位の高いふりをしている下位の妃たちも、今日は遠慮なく愉しげな矯声をあげていた。
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