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~散花~
第44章 傷心と浄化
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高位の后妃のために設えられた帳台の中、皇太后と皇后に次ぐ上座に玉蘭は収まり、目の前の舞台をぼんやり眺めていた。
普段は外廷の廟堂に引きこもっている采女たちが、美しい舞を披露しているのだ。
皇帝陛下のご臨席があるかもしれない。
そんな期待から、みな一張羅を纏い、念入りに化粧し、最高の笑顔を作っている。
屋上に鳳凰を飾った御帳台の中は、残念ながら今のところ、空のままだが。
そしてもう一つ、誰も気には留めていないらしい空席があった。
肘掛けに白虎が彫られたそれは、皇弟殿下専用の椅子である。
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