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~散花~
第44章 傷心と浄化
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(え…うそ……)
玉蘭は茫然と立ち尽くした。
玉蘭の椅子に悠然と腰を下ろし、優雅に微笑んでいる女性の姿。
(これは幻…?)
「いくら中元節だからって、一人の雑仕女すら待機していないなんて、第一夫人さまの御殿にしては無用心ね。簡単に忍びこめたわ」
気位の高そうな物の言い方。
(あ……)
女性がふわりと立ち上がった。口許をほころばせる。
懐かしい笑顔。
懐かしい声。
「久しぶりね、玉蘭」
名を呼ばれ、涙腺が決壊する。
「玲利さま!!」
玉蘭はその胸に飛び込んだ。
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