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~散花~
第4章  禊

「あの…玲利さま、もうお許しくださいませ…」

「だめよ。まだまだこれからじゃない。それに洗い方も覚えてもらわないとね」

玲利の人差し指と中指が左右のふくらみに添えられた。そのまま器用に縦線を割る。

割れ目から、赤い中身が姿を見せた。

玲利は鏡を地面に置くと、空いたもう片方の手指で割れ目の上端を引っ張りあげた。

「ひゃぁっ」

「これが包皮。この下に陰の核があるわ」

説明しながらその部分を丁寧につまむ。

「呂栢、水をお願い」

傍らに控えて一部始終を見ていた呂栢がすぐに応じた。

手桶に溜めた水を柄杓ですくい、玉蘭の開かれた器の真上にささげる。

柄杓の底には無数の小さな穴が開いているらしく、そこから水が雨のように勢いよく降り注いだ。


「ひゃんっ――」



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