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第1章 　身体診

半刻ほど待たされて、玉蘭は診察室へ通された。

広い板敷きの中央に、医師らしい白衣を来た老人が座っていた。

その横に、藺草の敷物が置かれている。

老師の前に膝を折り両手をついて挨拶し終えたところで、玉蘭は初めて気づいた。

座敷の隅で、20代後半くらいの美女が腕を組み、にこりともせずこちらの様子を見守っているのだ。

身に付けている衣の色や質からして、高貴な身分の女性であることはすぐにわかり、玉蘭は、その美女にも会釈を送った。