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~散花~
第6章 お妃教育
昼過ぎ、玉蘭はへとへとになりながら松風殿へ帰ってきた。
朝早くから梨香殿で開講されたお妃教育の講義第一回目は、休憩なしの5時間みっちりコースだった。
後宮ならではの作法、しきたり、言葉遣い。
立ち居振舞いの実技もあり、落としたハンカチの正しい拾い方なるものも教えられた。
加えて、国史・地理・政治・天文まで、このまま役人考査を受けられるのではないかと思うほど幅広い教養の詰めこみを受けた。
「もう、脳味噌が破裂しそうです~~」
玉蘭は机に突っ伏した。
「筆記試験には上位で合格してもらわないと困るわよ。しっかり予習・復習にお励みなさいね」
玲利はシビアだ。
玉蘭はぽつりと弱音を吐いた。
「みんなわたしより賢そうな子ばかりなんです。あの100人と張り合う自信…、ちょっと無くしちゃいました」