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迷路・・・Ver.K
第9章 駆け引き
そして
その日の撮影がはじまった
マシロは
相変わらず
ユウヤの指示に従い
ユウヤは
俺に何か言われることなく
手早く助手に徹した
とりあえず
午前の撮影が終わり
休憩に入る
マシロが
昼の弁当を配り
スムーズな仕事の流れに
安堵した俺は
スタジオの外に出て
一本煙草を吸い
また
スタジオの中にもどった
「ユウヤさ~ん」
マシロが
弁当を食うユウヤに
声をかけていた
「んだよ~
食ってんのに~~」
「すみません・・
レイさんの事務所に
電話を入れたら
レイさん
事務所にいらしてて・・・」
え・・
「それで、
レイさんが
ユウヤさんに
電話を代わってほしいって・・」
ユウヤが
チラッと俺を見て
マシロも
俺に
視線を合わせた
誰も何も言わない
数秒が過ぎ
俺は
顎で
ユウヤに
出ろよ
と指示をした
「は~~・・・」
ちょっと
不機嫌なユウヤは
大袈裟に
箸を置いて
マシロから
受話器を奪った