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迷路・・・Ver.K
第9章 駆け引き
スタジオを出ると
フラフラと歩く
ユウヤさんを見つけ
腕をつかんだ
「すぐ
タクシー止めますから」
そう言って
右手を上げ
目の前を通るタクシーを
止めた
「なんだよ
じゃますんな!!」
「頼まれたんです!
神島さんに!
言われた通りに
して下さいっ」
ふらふらな
ユウヤさんを
タクシーに押し込むことは
簡単だった
「お客さん大丈夫ですか?・・」
「あ、はい
〇〇マンションまで
お願いします
そこで下ろしてもらって
大丈夫ですから」
そう言って
私は
ポケットからお金を出して
運転手に渡した
「おいマシロっ
勝手なことすんなっ」
ユウヤさんが
酔ってるのは
わかってるけど
なんとなく
カチンときた
「ユウヤさん
昨日と同じ服なんですね」
「はぁ??」
「後ろ・・つけてましたよね?
ユウヤさん
居酒屋から帰る
私たちの後ろ
歩いてましたよね
それから
帰らなかったんですか?
どうして帰らなかったんですか?
クスッ(笑)」
「・・お前っ・・・」
「クスッ(笑)
運転手さん
じゃあ、お願いします」
ユウヤさんは
何か言いたそうにしてたけど
うまく
言葉にできないまま
ドアが閉まり
タクシーは動き始めた
あ~・・
こーゆー時
人間って
こんな顔するんだ
驚いた感情と
怒りのような感情と・・・
あとなんだろ
(笑)
このまま
仕事辞めてくれないかな~
ユウヤさん。