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執事とお嬢様の禁断の模様
第5章 繋がらぬ想い

もういっそ、全てから解放されて
このまま一年ぐらい眠り込んでしまえたらいいのに。
ああでも、それだとみんなに迷惑がかかるな…
孝博さんも婚約者と結婚させられちゃうかも……
「………」
さっきの秀一の顔が目に浮かんだ。
べつに、無理に笑わなくたっていいよ……
強制じゃないんだから。
私はまた悲しくなってきて、目を伏せた。
ついさっきまで目の前にいた人が、
最大の悩みの元だなんて……
近くにいても、触れられないし…
てのひらで顔を覆う。
いつも近くにいるから、心休まる時なんてない。
寝ようとしても、気になって眠れなくて……
全然先が見えない。
辛いよ、こんな生活……
「…お嬢様? お待たせしました」
突然、上から秀一の声が聞こえた。
私は手のひらを顔から離し、顔を上に傾ける。

