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執事とお嬢様の禁断の模様
第9章 あなたがいない未来

カチャ…
「妃奈浬お嬢様、紅茶をお淹れしました」
肩越しに振り向くと、
京子さんが紅茶をテーブルに置いてお辞儀していた。
「ありがとう…」
私はイスに座って、
京子さんの淹れてくれた紅茶を飲んだ。
「また……
秀一さんのことを考えていたのですか?」
「……うん」
うつむきながら返事をする私。
私が秀一と離れてから、
京子さんは何度かそれを私に聞いてきた。
それに対して、いつも私はうなずく。
秀一のことが気になって仕方がなくて、
前よりもずっと秀一のことを考えてる。
でも……考えることは不安だらけ。
考えないようになるべく勉強とか他のことを
しているけれど、どうしても秀一のことがちらつく。
だから、前よりも勉強しているのに、
成績は前とあまり変わっていない。

