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執事とお嬢様の禁断の模様
第9章 あなたがいない未来

時々無性に泣きたくなることもあって、
そのときは我慢ならずに泣いてしまう。
この間なんて……授業中に泣いてしまった。
思い出して、ため息が出る。
「妃奈浬お嬢様…気分が落ち込んでいては、
紅茶が美味しく飲めませんよ」
「……うん」
わかってるけど……
どうしても考えてしまう。
ああ、一度でも秀一に会えたら、
少しはスッキリするのかな……
それとも逆に悲しくなる?
一度でも会ったら…
私は秀一を離さないかもしれない。
ずっと一緒にいて欲しいって。
我慢できなくなるかも……
私は少し冷めた紅茶を飲み干したあと、
いつものように自室へと向かった。

