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執事とお嬢様の禁断の模様
第10章 心からの笑み 一枚の写真
『ですからそれまで、私を待っていていただけますか?
私はずっと、妃奈浬だけを想っています。』
「っっ……」
パタ…
浅葱秀一、と差出人の名前がつづってあるのを
見たところで、涙が手紙の上に落ちた。
恐らくボールペンで書いたのであろうそれが、
涙によってにじんでゆく。
秀一…っ……
私は思わず手紙をぎゅっと握り締めた。
手紙に少しばかりのシワが入る。
止めどもなく溢れてくる涙。
このままではまた涙で手紙を濡らしてしまう。
拭っても拭っても、涙は溢れてきて。
どうしようもなく幸せな気分になった。