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執事とお嬢様の禁断の模様
第3章 私を見て
「誤解をされていたら、申し訳ありません。…私は、ずっと、
あなたのことだけを考えています。四六時中ずっと……」
そう言う浅葱の瞳は、すごく苦しそうだった。
「あなたを、愛しているのです」
「……!」
「だから……あなたを、大切にしたいのですよ……」
「……っ…」
「…申し訳、ございません……」
あなたは、なんて顔をするのだろう。
色々な感情が混ざって、目頭が熱くなった。
私……なんて鈍感なんだろう……
浅葱は、こんなに私を想ってくれていたのに…っ…
「! …泣かせてしまって…申し訳ございません」
浅葱は、優しく私の涙をぬぐってくれた。
謝らなくてもいいのに…
私の涙をぬぐい終わった浅葱。
でも目がまだ、私に謝っていた。
「…怖がらせて、しまいましたね。では、私はこれで…」
「あっ……」
なんで!? なんで、また、行っちゃうの…?
あんなふうに言っといて、なんでこんなあっさりと行けるの?
待って……
待ってよ!
「待って…!!」
「……っ!??」
私はまた、浅葱に抱きついた。
「お嬢様…「ごめんなさい!」
「……?」
私はまた、泣きだしていた。
「私…私、浅葱のこと、全然わかってなかった……」
「………」
「私、浅葱に愛されてる自信がなくて…いつも、悩んでたの…」
「………」
「浅葱はかっこいいからモテるし、私なんかよりも、他に相手がいるんじゃないかって
思っちゃったりして……。浅葱は、私にはもったいない人だから…っ…」
「………」
「積極的になる勇気もないくせに…浅葱に近づく先生とかに…嫉妬しちゃったりして…っ
…本当に勝手で、ごめんなさい…!」
「……っ! …やきもちを、妬いてくださったのですか…?」
浅葱の問いに、私はこくんとうなづく。
「浅葱が大切にしてくれるのは…とっても嬉しいの。でも、それと同時に、
なんだか寂しくて……。私は、早く浅葱のものになりたいの……」
「……っ! 妃奈浬…お嬢様……」
浅葱の心臓の音が、早くなった。
嬉しい……
いつの間にか、私の涙はとまっていた。