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執事とお嬢様の禁断の模様
第4章 更なる山道

「ええ…誘いと言っても、ただ妃奈浬お嬢様について話したい
ということでしたので、少し立ち話を…」
「あ…なんだ」
「なにか、気になることでも?」
「あ…ううん、大丈夫」
私はごまかすように紅茶を飲んだ。
優しい甘さが口に広がる。ほぅっと一息吐く私。
目線を前に戻すと、秀一も紅茶を飲んでいる。
大丈夫大丈夫…もう先生は関係ないもの。私もう…秀一のものだもの。
しかし襲われたときのことを思い出し、手が震える。
そうだ私…秀一以外の人にあんなこと…!
思い出して、いやな汗がでる。
私はきゅっと唇をきつめに結んだ。
「…妃奈浬お嬢様? どうかしましたか?」
「えっ……」
私が顔を上げると、そこには心配そうに私を見ている秀一。
どうやら紅茶を飲み終わったようだった。
「あ……」
自分の手に持っているカップの中身を見ると、あと一口ぐらいしか残っていなかった。
私はそれを飲み干し、カップを置いて、秀一をちらりと見る。
「…もう少し落ち着いてからの方がいいと思ったのですが…。
紅茶も飲み終わりましたから、なにがあったか詳しく話してくださいますか?」
「……うん」

