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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第20章 第二部・第四話【悲願花~女になった男~】 定命
小紅は小首を傾げながら、栄佐の後に付き従って、おきみの家へと戻った。行灯の焔が狭い四畳半ひと間を淡く照らし出している。栄佐はその火影を膚に映した小紅の顔を一瞬、眩しげに眼を細めて見つめ、それからすぐに我に返ったように、おきみに視線を移した。
―栄佐さんはやっぱり、どこかいつもと違う。
何の根拠があるわけでもないけれど、小紅は勘で栄佐の異変を感じ取っていた。では、どこがどう違うかと問われれば、応えようはない。
―栄佐さんはやっぱり、どこかいつもと違う。
何の根拠があるわけでもないけれど、小紅は勘で栄佐の異変を感じ取っていた。では、どこがどう違うかと問われれば、応えようはない。