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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
「済まねえ。夜分に押しかけて、自分勝手な話ばかりべらべら喋ってよ。お前に風邪でも引かせちまったら、大変だ。さ、もう家に戻りな」
 栄佐こと碧天は小紅の頭に手を置くと、くしゃっとかき回す。
「戸締まりには気を付けろよ。俺以外の男が来ても、開けたりしちゃならねえぞ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
 小紅は栄佐に笑いかけると、隣の自分の住まいへと引き返した。
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