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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
「無理することはねえんだよ」
「ううん、違うの。さっきのように抱きしめられるのは怖いけど、いつもみたいに髪を撫でられるのは―最初は少し身構えてしまうけど、怖くはない」
「そうか」
 栄佐の笑みが更に深くなり、小紅はいつものようにくしゃっと髪をかき回された。
「それから、これを」
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