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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール
「ったくっ! 信じられないっ!」
「…まあまあ…」
「だって……自分たちだけ気持ち良くなって、後はさっさと帰っちゃったのよっ!?」
「……カラダ…満足してくれたならいい…」
「って、アタシたち、風俗嬢じゃないんだからさぁっ」
「…でも……捨てられるよりは………」
「………ったく…。まぁ、明日香がそう思うのも……短い付き合いじゃないから……分かるけど………」
「…それに…美奈ちゃんも……少しは気持ち良かった…でしょ?」
「なっ!? あ、アタシは………。
アタシは最後まで全然っ………」
「…嘘。私とキスした時……」
「あぁっ! もうっ!! いいから帰ろっ!」
すっかり酔いが醒めて、二人で並んだ帰り道。
美奈ちゃんは怒ったり照れたり忙しくしながらスタスタと歩く。
その横をいつも通りに微妙な距離を開けて着いていく。
美奈ちゃんのお陰で、いつもは煩いナンパが今夜は無かった。
他愛もない会話を繰り返していると、いつもの駅に着いていた。
そこで、不意に美奈ちゃんはクルッと回って顔を突き出してきた。
「…?」
美奈ちゃんが人差し指を立てて、言い聞かせるように言葉を吐いた。
「いーい? これから暫く、アンタはお酒呑んじゃダメだからねっ!?」
「…?」
理由が分からず、首を傾げるしかなかった。