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マネキンなカノジョ
第5章 カノジョとお使い
 
 燦燦と照り付ける太陽が恨めしい。

 会社から十数メートル進んだだけで、額に汗が滲んできた。

「…これじゃ…行きたくないよね……」

 大して重要な書類でもなく、かと言って早く届けなければいけない。

 バイク便など使わせて貰えない方針の手前、こうやってテクテクとお使いに出される。

 お使いに出した課長は、涼しい社内でのほほんとしてるに違いない。

「…後で……奢らせてやる…」

 野望を抱かなきゃやってらんない。

「…暑い…」

 口に出したところで、和らぐものじゃない。

 だけど、出さずにはいられない。

 制服のベストが暑苦しい。

 膝丈のスカートの中に熱が籠もってるようで、パタパタ扇ぎたい。

 周りを見れば、スーツ姿のサラリーマンやOLの姿。

 誰もが暑さに気怠そうな表情を見せている。


…ここでスカートをガバッと捲り上げて……
ショーツを見せたら、どんな反応するんだろ……


 何と無く想像。

 露出の性癖は無い………はず。

 想像を繰り返しているうちに、気付けば駅だった。
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