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マネキンなカノジョ
第5章 カノジョとお使い
 
「…橘くんっ。橘くんは……」

 課長の声が室内に響く。

「さっき、お使いに出て行きましたよ」

 小言から逃げるようにそそくさと出て行った明日香の後ろ姿を思い浮かべる。

「…はあ?」

 間抜けた課長の声に、全員の視線が向く。

「『はあ?』って…。課長が頼んだじゃないですか?」

「…いやぁ…頼んだけどさぁ………」

 何とも歯切れの悪い言葉に、スクッと席を立つ。

 ズンズンと課長の席に向かうと、ユサユサと胸が揺れる。

 通り過ぎた男子社員の視線が気になるけど、今はそんな場合じゃない。

 課長の席の前で、腕を胸の下で組んで半眼を向ける。

「どういう事…でしょ?」

 
 腕で持ち上げられた胸に、更に視線が集まる。

 半眼を向けている課長の視線までも胸に集中していた。

「…課長?」

「あ、いや…その……」

 冷ややかな声で問い掛けると、慌てて視線を外した課長。

「俺……。明日、朝一でって……言わなかったっけ?」

「…さぁ?」

 二人の会話なんて聞いていない。

 問い掛けられても、答えようがない。

「いやぁ…。あそこの会社不便だから、明日の朝に直行でって言ったつも…り…」

「…でも、一時間くらい前に出て行きましたけど?」

 冷ややかな目付きに、課長までも畏縮し始めている。

 心なしか、顔も蒼褪めているようだった。

「昼過ぎからじゃ、帰るの遅くなるから明日で……」

「呼び戻して良いですね?」

「……はい」

 言い訳なんて聞かない。

 ズバッと言い切って、畏縮した課長の声を背にズンズンと席に戻る。

 途中で揺れる胸を凝視してきた男子社員を畏縮させるのも忘れない。

 椅子に座って、明日香の携帯を呼び出す。

 しかし、いくら鳴らしても出ない。

 気付けば、微かに振動音が隣から聞こえた。

 僅かな不安を覚えて、隣の明日香の席を見てみた。

「…あのバカ……」

 明日香の携帯が、机の上でブルブル震えていた。


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