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第1章 零

ある日東城が登校すると、教室で騒ぎが起こっている事に気が付いた。

「誰にんな口きいてんだ？ あ？」

「ごめん！ ごめんなさい！」

"あの生徒"の声と男子生徒の悲痛な涙声が聞こえる。
東城は教室に入るなり一喝する。

「やめろ鬼島！」

「……関係ねぇ奴はすっこんでろよ」

金髪で目付きの鋭い男が東城を睨んでいる。
男の名は鬼島龍介。
この学園一の問題児である。

「関係なくはない。その生徒から離れろ」

「俺に指図するな。生徒会長とかいうクソくだらねぇ善人ごっこやってて楽しいか？」

東城は、鬼島からの中傷に眉一つ動かす事なく説得する。

「いいから離れなさい」

「分かんねぇ女だな……じゃあ体にいって聞かせるか！」

呆れたように髪を掻いていたが、いきなり前に踏み込み、殴りかかる。
しかし東城は軽々と避け鬼島を……
ビンタした。