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俺の妹
第28章 記憶
あったかくて、少し湿っぽい手を差し出して
僕の手を包む。




「おにいちゃん、泣かないで

奈都がいるよ」




薄暗い中目を凝らすと、奈都は可愛くクスクスっと笑った。





「おにいちゃん、だぁいすき!」


そのまま僕の腰に手を回してぎゅっとされる。
いっちょまえに、胸をキュンっと鳴らしながら
僕も奈都の背中に両手を回した。



「ぼくもだよ!おおきくなったらケッコンしよぉね」


あんなに悲しかった気持ちは吹っ飛んで
涙もピタっと止まってしまった。



「うん!」


奈都は大きく頷いて、僕のほっぺにちゅっと音を鳴らしてキスをした。
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