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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第17章
下らな過ぎる怒りに振り回され、血走った眼で兄を睨み上げると、
「そう睨むな。可愛い顔が台無しだぞ? ほら、あと三分したら」
そこで言葉を区切った匠海は、ゆっくりとヴィヴィの耳朶に続きを吹き込んだ。
「そうしたら、このポヨンポヨンしたのを、突いてあげようね」
「……――っ!!」
常よりかすれた声が溜め込んだ慾を知らしめるように、ピアスを装着した耳たぶを濡らす。
「そんなに、待ちきれなかった?」
充たされぬ欲望に耐え切れず飢えを滲ませていた筈の双眸が、徐々に恐怖の色を濃くして引き攣る。
「降りて来ちゃった、な?」
「……ひっ!」
兄の指摘通り、いつになっても緩慢な刺激しか貰えぬ子宮が、貪欲に新たな快楽を求め、常よりその位置を下げてきていた。
「ヴィクトリアの大事なところ、待ちきれなくて、下りてきちゃったんだろう?」
「いャ……っ」
「うん?」
「まっ ……待って!」
「どうした?」
「イゃっ つ、突ぃちゃ……っ」
全身の肌を粟立たせたヴィヴィの声も、かすれて震えていた。
「どうして? 優しくしてあげるよ」
「…………っ」
「お兄ちゃんの柔らかい先っぽで、ヴィヴィのここ、ぽよぽよされたの想像してご覧?」
言われなくても先程から金の頭の中はそうされた時の恐怖で一杯で、薄い唇からはとうとう「ひぃっ」という情けない悲鳴が漏れた。
そして、時は満ちる。
「ああ、やっと三分経った。お待ちどうさま」
ベッドサイドの時計から視線をゆっくりと妹に戻した兄の顔。
顔半分は暗く、残り半分はサイドのライトに浮かび上がり、まるで嗜虐症のそれに見えた。
性行為で苦痛を与えようとしている訳では無いのに、まるで相手を肉体的にも精神的にも束縛し、支配する――そんなむごたらしい行為によって自身の性的興奮が高まる加虐嗜愛者。
「―――っ!? だっ ン、めぇ……っ ~~~~~っ!!!」
切れ長の瞳が狙いを定め、的確に捕らえる。
有無を言わさず組み敷かれたヴィヴィには、己の毬の如きそれを兄の亀頭が顔を埋めるように愛でたのが解かった。