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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「……は……?」

 何故か今にも噛み付きそうな貌で自分を睨み上げてくる妹に、兄はそう間抜けな声を零し。

「まあ、お前の思考回路が はちゃめちゃな事は、21年の付き合いで知っているけれど……。いい加減に可愛い顔も見たいな?」

「………………っ」

 無言を決め込んだヴィヴィに、匠海は困ったように苦笑すると、

 そのおでこに前髪の上からそっと唇を押し付け。

 飽く事無く乳房を愛していた両の掌で、ゆっくりと肌の上を辿っていく。

 そしてその先、

 右の掌が辿り着いたのは、金色の薄い茂みの、その先で。

 くちゅん と濡れた音が鼓膜を震わせた途端、

 羽毛布団に埋もれていた華奢な肢体が、まるで浜に打ち上げられた鮮魚の如く大きく跳ねた。

「ああ、やっぱり敏感だな、ヴィクトリア」

 兄の心底嬉しそうな声音に、ヴィヴィは咄嗟に両脚を閉じた。

 が、そこからすんなりと手を引き抜いた匠海は、何故かその手を妹の眼前に持って来て。

「ほら、ヴィクトリアのあそこが、可愛らしくなってる証拠だ」

「な……っ!? や、やあ……っ」

 少し骨ばった長い人差し指と中指、そこにとろりと纏わりつく、紛れもない躰の準備が整った証し。

 蜜を纏った兄の指に、ヴィヴィの灰色の瞳が哀しげに歪む。
 
 昨夜も。

 昨夜もそうだった。

 特に、昨日は恐怖しか覚えていなかったのに、躰を無理やり弄られて、

 いつの間にか自分のそこは、はしたなく蜜を溢していた。

「ん? ああ、大丈夫だよ。俺がずっとお前のおっぱいを可愛がってたんだ。これくらい反応してくれなきゃ、男として自信無くすよ」

 何故かそんなフォローの言葉を交えながら、匠海は濡れた蜜を舐め取ってしまい。

「それに、ヴィクトリアは俺の事、大好きだし?」

 そう自信満々に結論付けた兄に、

「~~~っ!? なっ そ、そんなこと――」

 思わず「そんなことない」と訂正しようと焦るヴィヴィ。

「そう? ほら、もうこんなに蕩けてる」

 ヴィヴィの大事なそこの様子を言い表しながら、また右指で濡れた秘裂を辿り始めた兄。

「ひぅっ あ……、やっ やぁ~~っ」

 散々煽られ翻弄されたヴィヴィの躰は、本人の意図せぬ間に、充分に綻んでいた。

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