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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第9章
「ヴィクトリア……」
後ろから覗き込んでくる兄を、ちらりと上目使いで振り返れば。
「ほっぺ真っ赤にして、可愛いね」
そう、からかわれて。
「はぅ……っ も、お胸、だめぇ……」
前へ逃げようとする妹の背が、凭れ掛かっていた兄の胸から離れ。
サラサラと軽やかに流れる金糸と、そこから覗いた白い背筋。
「ああ。可愛いなあ、ヴィクトリア……」
熱い吐息と共に、感嘆の声を漏らした匠海。
広く開いた襟ぐりを、強引に下へとずらすと、
露わになった背筋をも、夢中になって舌を這わせ始め。
「ひっ」
驚きに弓なりに反った背。
そしてその下の小尻には、これ以上無いほど張りつめた昂ぶりが、押し当てられていた。
「ひぅ……っ あ、も、ベッド……っ」
パフスリーブから伸びた、真っ白な腕が限界を訴える様に、細かく震え。
それを目にした匠海は、ふっと嬉しそうに苦笑すると、
「ああ。もう、マニキュアも乾いただろうから、ベッドに行こうね――?」
そう、長い長い夜の始まりを、妹の耳朶へと吹き込んだのだった。