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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章
STARS ON ICE in 愛知 から中2日。
埼玉に移動した双子は、4月3日(水)~7日(日)に行われる 世界フィギュアスケート国別対抗戦 2024 に出場していた。
今シーズン主要大会での各国選手が獲得したポイントを合計し、その上位6ヶ国が出場出来る今大会。
アメリカ・カナダ・日本・ロシア・フランス・中国――の選手達は、
会場の1角に設けられた応援席で大会中の3日間応援し続けるという、一種お祭りの様な大会である。
日本の代表選手は下記の通り。
男子シングル――
本田 太壱(26) 篠宮 クリス(21)
女子シングル――
本田 まりな(23) 篠宮 ヴィクトリア(21)
ペア・スケーティング――
成田 達樹(26) 下城 舞(26)
アイス・ダンス――
安方 静流(19) 鈴木 賢太郎(21)
主将・本田 兄、副主将・本田 妹 の呼び掛けで、応援グッズ等を大量に持ち込んだ日本チームは、
スケ連に怒られる限界スレスレで、チーム・ジャパンの応援に徹していた。
4月6日(土)――競技最終日。
会場となる埼玉スーパーアリーナは、超満員の観客による、
「ヴィーヴィ! チャチャチャ(手拍子)」
そんな、リンク上の女子選手へのエールで溢れ返っていた。
『篠宮ヴィクトリアさん 日本
On the ice,The representative of Japan,Victoria Shinomiya』
ショーンコーチとクリスが見守るリンクサイドから、早くも離れていたヴィヴィは、
30秒という短い制約の中、金の鎖を巻き付けた頭をフル回転し、確認作業に没頭していた。
「アイス・ダンスの鈴木選手の呼び掛けで、場内には篠宮選手を励ますコールで溢れています」
男性アナウンサーの言葉通り、常のISU国際大会ではあまり見られない、大合唱の声援。
「多くの日の丸が掲げられています。一昨日のSPでは、驚異の世界最高得点。ヴィヴィアン・リー(USA・21)を抑えて、女子のトップに立った篠宮。いよいよ勝負のフリーです」