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どこまでも玩具
第8章 任された事件

 「はッッ……ある、ワケ……」
 「嘘吐け」
 後孔に指を突き刺される。
 「ひあッッ」
 「こんなに簡単にくわえ込んでる癖に」
 足を広げられ、ひたすら弄られる。
 男はベッド脇の備え付けの引き出しから何かボトルを取り出した。
 掌に中の液体を垂らす。
 なんだ、あれ。
 濡れた視界でも、見たことないモノの存在に恐怖を感じてしまう。
 「初めて見る?」
 男は愉快げに、その手を下半身に押し付けた。
 「は……あッッ」
 冷たさと刺激に腰が浮く。
 太腿を摺り合わせて耐える。
 だが、男の指は執拗にその液体を馴染ませようとしてくる。
 「君みたいに緩いケツの奴に一番効くらしい。ほら」
 「う、ああ」
 熱い。
 これ、知ってる。
 あの屋上の感覚と同じだ。
 弄りたくて仕方なくなる。
 男は手を離して悶える俺を眺めて笑った。
 そんなの気にしてられない。
 右手を下半身に伸ばす。
 触りたい。
 もうグチャグチャなそれを指でなぞる。
 「んん……」
 夢中になって擦る。
 足りない。
 足りない。
 ハァハァと自分の息が聞こえる。
 「あ……ぁぐッッ」
 達してしまってから罪悪感に浸る。
 こんな見ず知らずの人間の前で自慰に耽るなんて。
 男は飛びかかるように果てた俺のものを咥えた。
 「っちょ……待」
 連続する快感に全身が仰け反る。
 「ひぁあ、ぁんッッ」
 口を右腕で隠す。
 漏れる声が、妙に耳にざわつく。
 ―なんで、泣いてるの―
 涙がこみ上げる。
 もう枯れたと思ったのに。
 あのコーヒーが涙になって出て行けばいい。
 いらない。
 「はぅ、あッッ、ぃい」
 チュプ。
 グプ。
 上下に扱かれ続ける。
 薬を塗られたせいか。
 呆気なく果ててしまった。
 「ふぅっ……ぅう」
 嗚咽が漏れる。
 「そんなに好いのか?」
 白濁を飲み干した男が嘲る。
 俺、なにしてんだろう。
 こんな所で。
 知らない奴と。
 男のものが押し当てられる。
 熱い。
 嫌悪感が湧く。
 「ひっ……やッッ、やぁあ」
 脚で彼を蹴る。
 「……っなにすんだ!」
 男は力任せに腹を殴る。
 「ぁがっ」
 うずくまる体を無理やり起こされて、四つん這いにされた。
 吐き気がする。
 「つけあがりやがって」
 ガンっと衝撃が走る。
 「ぉ……あ……」
 多分、切れただろう。

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