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どこまでも玩具
第7章 阻まれた関係

 「おはよ」
 翌日、俺は教室にいた。
 アカと金原がすぐに走ってくる。
 この時期にもなると、朝の時間すら惜しんでクラスメートは勉強中だ。
 だというのに「瑞希!」なんて叫んで走ってくる。
 「おかえりー!」
 後ろから一夜が肩を叩く。
 五日ぶりか。
 なんか、懐かしさすら覚える。
 「みぃずき、体調は?」
 「上々?」
 アカはニコッと笑うと、大量のノートを俺の机に置く。
 「これ、休んでた時の分の授業のノート。全部書き写す自信はあるみたいだね」
 「スパルタだな……アカ」
 金原も顔をしかめて苦笑いする。
 なんだろ。
 心地いいな。
 空気が違う。
 家とは全然違う。
 学生で良かったなんて思う。
 学校という逃げ場があるから。
 普段は逆なのに。
 学校から逃げたくなるのに。
 今は、愛しい我が校だ。
 友人がこんなに助けてくれる。
 「席つけー。号令」
 篠田の声に一気に頭が冷える。
 顔が強張った俺を窺いつつも、みんな席に戻る。
 篠田が俺に気づくのは早かった。
 そりゃ、そうなんだけど。
 「風邪は治ったか。しばらく無理はするなよ」
 淡々と述べる担任に嫌気が差す。
 だったら、あんたも無理させんなよ。
 二度と呼び出すなよ。

 昼休みになり、必死でノートを書き写していると、女子が駆け込んできた。
 俺の肩をぐいと掴むと、あっと言う間に連れ出されてしまう。
 見なくてもわかる。
 有紗だ。
 「聞きたいことがあるのっ」
 こんな季節に屋上に来させられ、俺はため息を吐く。
 「……なに?」
 聞かなくてもわかっている。
 反省室から出された後の話も聞いたからだ。
 「類沢センセはあんたのどこが好きなの?」
 おっと。
 予想外だった。
 つい、吹き出してしまうほどに。
 予想だと類沢の家の位置かアドレスを尋ねられると思っていたのだ。
 あの後、有紗はリベンジを公言したらしいから。
 「はあ?」
 「だから、あんたはなんで類沢センセに好かれてるのよ」
 知らねぇよ。
 俺が聞きたい。
 なぜ、俺だけが特別なのか。
 有紗は詰め寄る。
 「ねえっ! 類沢センセと外で会ってるんでしょ!!」
 その必死さが滑稽なくらいだ。
 「知ってどうする? 性転換でもする気か? どうせあいつの好みは男だ」
 有紗が手を振りかぶる。
 スッとビンタをかわす。

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