この作品は18歳未満閲覧禁止です
初恋のひと
第1章 再会
40を過ぎると、急に年を感じるようになった。
浴室の鏡を見ながら、あちこちのたるみかけた肉を摘む。
ため息をついたところで、どうにもならないのはわかってはいるが、ため息が出る。
一人娘の由加は、都市部に就職し、一人暮らしを始めた。
『忙しい』が口癖で、滅多に帰ってこない。
この前、元夫を見かけた。
女癖は相変わらずのようで、仲良さそうに、若い女性と歩いていた。
私だけ、単調な毎日の中で心も身体も衰えていく。
何だか、自分だけ取り残されているようだった。