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指切り〜蝶々
第1章 落花
「っ…」

今にも涙が溢れそうな表情で百合は父親を見つめる。
だが、無情にも父親は百合を見ることはなく、奥へと消えた。

(どうして!?私は此処に…)

それを知ってか知らずか、弥七はグイッと百合の腕を取った。

「さぁ、百合…行かなければ。」

その言葉に百合は目を見開いた。

「嫌っ!離してっ、離してっ!」

百合は必死になって弥七の腕から逃れるかのように抵抗するが、所詮は子供…
叶うはずもなく家から連れ出されると、駕籠(かご)に乗せられた。

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