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淫と乱
第15章 露天風呂
 
「は、ははっ……。ち、違うよぉっ」

 理不尽なクレームをつけながら、三人に言葉を吐き出す。

 気付けば、疼きは治まっていた。

 海の時といい今といい、何でいきなり疼くのか分からない。

「って、一向に話が進まないんだけど?」

 呆れたようなアンズ先生。

 表情をコロコロ変えさせている事に申し訳なくなってくる。

「あらあらぁ。打開策が見付からない以上、焦っても仕方ないわよぉ?」

 お母さんの緩い口調に、周りの雰囲気も緩んでくる。

「きょ、恭子姉はそう言うけど………」

「取り敢えず、アンズ先生。今はお風呂を楽しみましょ………」

『あ、赤井先生っ。お、俺には美奈がっ………』

『バレなきゃ大丈夫だ、ガハハッ』

 美奈ちゃんの言葉を薄井くんの声が遮った。

 般若顔美奈ちゃん降臨。

「…今……美奈ちゃんの事…呼び捨てしてたよね………
 下の名前で………」

 余計な事言わなきゃ良かった。

 怨むよ、薄井くん。

「…真希……ちょっと………」

 音も無く近寄ってくる美奈ちゃん。

 一体、どうやってんだろうと怯えながらも思っていた時だった。

「…あらあらぁ…」

「…えっ!?」

 大人組の驚いた声が耳に届いた。
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