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官能エッセイ集 ~官能の景色~
第15章 彼女の娘のつぶやき
彼女とケンカした。
まただ。
それもまた他愛もない理由だ。
その原因はこうだ。

二週間後くらいの土曜日に、一日デートの時間が取れそうだからと、彼女にメールしたのだ。
彼女のからの返事は
『その日の予定は今のところないけど、今、娘(次女、高校生)と上手くいってないんだよね。どうなるかわかないな。ちなみに何時から何時まで?』
そんな内容だった。

私は怒った。
最後にデートしたのは一ヶ月前だった
私はてっきり喜んでもらえると思っていたのだ。
それなのに、二週間後の予定のない日を渋られたのだ。
私はすぐさま返信した。

『二週間後の予定のない日のことが、どうなるかわからない? じゃ、いつデートの約束をしたらいいか教えてくれないか? じゃ、次は二人ともよっぽど暇なときの一か月ぐらい前から約束しておこうよ。でも今度はそっちから誘ってね。じゃあね』

間髪入れず返信が来た。
『クリスマスも会ってくれないし、バレンタインのときも会ってくれないくせに、自分が都合のいいときだけ誘わないで!』

それからもう二か月が過ぎたが、彼女とは会ってもないし、連絡も取ってない。

そんな四月のある日だった。
私の携帯電話に変なメールが来た。

『○○さん(私の高校生の息子の名前)の写真をチェックしよう』

よく見ると、息子の『facebook』からだった。
これは何か更新をすると、登録している相手に自動的に送られる類のものらしかった。
当時私はfacebookをしていなかったが、そんなものかと、気にも留めず、携帯をしまおうとした時だった。
不意に、ある考えが浮かんだのだ。

彼女にも二人の年頃の娘がいた。
長女は確か高校を卒業して地元を離れていた。
次女は確か去年高校に入学した。
うちの息子がfacebookをするくらいだから、彼女の娘たちもしているのではないだろうか? と。
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