この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
宵闇
第2章 兄と妹
「……父さんたちの再婚、琴音ちゃんはどう思ってる?」
僕の問いに彼女は少し考えて、やがて静かに口を開いた。
「ママが幸せになるなら、私は賛成です」
その言葉にほっとした僕は、頷いて答えた。
「僕も。父さんが幸せになれるなら、と思ってる」
彼女も、同じように頷く。
「私、お父さんってよくわからないけど……おじさんは好きです」
「僕も。雪乃さん好きです」
僕はこの子に、どこか自分と似たものを感じた。
僕たちもきっと仲良くやっていけそうだと、そんな気持ちになる。
「じゃあふたりに、もう籍入れていいよって。言ってもいいかな?」
「はい」
「僕たちも兄妹になるわけだけど、無理してそんなふうに思わなくていいから。
何かあったときに相談できる人ができた、ぐらいに軽く考えてね」
「ありがとうございます。
……えっと、葉月……くん」
「お。初、名前呼びだね!」
部屋に響く笑い声────。
そして、僕と琴音ちゃんはこの日を機に一気に打ち解けていく。
──それから半月後。
僕たちは正式に家族になった。