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第15章 溺れる

──なのに手前で舌が離れた。
あぁん……と漏らした声に抗議の色が滲んでしまう。

葉月くんにそれは伝わっているに違いないのに、また蜜穴へと戻された舌。
同じように舐め上げられ、寸前で離される。
何度もそれが繰り返される。


「も……やあ……んっ……！」


そうされるのもとても気持ちいいけれど、もっと大きな快楽を身体も心も欲しがっていた。
焦らされ続ける身体の奥の疼きはどんどん増して、蜜穴もひくひくと痙攣する。


「……上まできて……えっ……」


我慢できなかった。
たまらず葉月くんに訴える。


「上？
────ここ？」


ちゅっ……と敏感なところに口付けられ


「ぁあんっ！」


と腰が跳ねた。
それはとても軽いキスだったのに、待って待って──ようやくそこにもらえた刺激はたまらないもので。
そのままぺろっぺろっと舐められるリズムはとてもゆっくりで、強さも優しくて。
なのに勝手に背中が仰け反っていくほど気持ちいい────。


「ん……ここ……いいの……？」


葉月くんが舐める合間に言う。
息がかかってそれにまたぞくぞくする。

左右にあてられた指が、そこをくいっと広げた。
剥かれた尖りをじかに舐められる。


「ひっ……あ！」


この直接的な刺激には私は本当に弱い。
ちゅっ、と吸われながら、舌先でちろちろと左右に優しく振られたり、そっと押したりされると……もうあっという間に身体が高まっていく。


「ん、あっ……そこぉ……っ」


反る背中。
顎が上を向く。
喘ぎながら、自分の足の間でその舌を卑猥に動かしているであろう葉月くんを思う。

与えられる刺激と、聞こえる音。
それらがもたらす淫らな想像。


──喉の奥がひくっ……と詰まった。