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第21章 月影

「素直」


可愛い、と葉月くんが呟いた。


「でも、もっとだよ」


そして私の好きなキスを──舌を絡めるねっとりとした激しく濃厚な口づけをしてきた。

指は私のそこを弄ったまま。
びらびらが開かされ、深く、ゆっくりと辿られる。


「んっ……ふ、う……ん……！」


鼻から漏れる私のいやらしい息。
蜜穴に時折浅く入り込んでは、出ていく葉月くんの指。
何度も、焦らすように繰り返される。


「すぐはいっていくね」


唇を離した葉月くんが耳元で囁いてきた。


「だってぇっ……」


葉月くんからされると私の身体はいつもこうなってしまう。


「ん？」


ぐちゅっ、と指が一気に奥まで、きた。


「やぁぁんっ！」


そのときの、いやらしい音まで聞こえてくるような気がして、恥ずかしさと気持ちよさに熱くなる頬。


「……僕の指、好き？」

「ん……すき、好きぃっ」


素直に答え、葉月くんの首に両手を回してキスをせがんだ。
すぐにそれは与えられ、その舌も、もらえた。
舌先が、隈無く私の口内を愛撫する。
敏感な上顎をくちくちとくすぐってくる。


「んぅ……！」


ぞくぞくっとした震えに、私のなかもきゅうっとなる。


──わからなく、なった。


くちゅくちゅ音を立てているのが、キスされている唇なのか。
それとも弄られているそこなのか。
わからなくなるぐらい、もう私の頭はとろけてしまっていた。