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宵闇
第21章 月影


その舌使いはとても優しかった。
触れるか触れないかぐらいの強さでちろちろと舐められると、とろりとまた蜜が溢れるのわかった。


「やっ、だめ……! きもちい……よぉ……!」


勝手に口が動いて、そんなふうに言っていた。
葉月くんがそこから唇を離し、もっと? と尋ねてくる。


「あ……やだっ、や……」


止められた愛撫に首を振って、続けてほしいと願った。

すぐに、再び与えられた刺激。
今度はさっきより強め。

唇でちゅっ、と……そっと吸われ。
つんつんと舌先で軽くつつかれ。
左右に振られ。
ねっとりと舐めあげられ。

慣れてきた頃に、くいっと指でそこを露出させられ、じかに。


「……っは……や、ああっ、あっ……!」


気持ちよくて声が止められない。
息も荒く私はただただその快楽に没頭する。


──あ。


きそう、とその兆候に喉を鳴らした。
いやらしい水音。
小刻みな呼吸と喘ぎ。
それらがさらに自分を高まらせていく。
シーツを掴む手にぎゅっと力が入る。


「あ、や……も、いく、いっちゃう……!」


淡々と続けられる動きが一気に私を高めていった。


「いく────!」


びくん……! と仰け反った身体とひくつくそこが、達したことを葉月くんに告げる。


……はあはあと荒い呼吸で胸を上下させながら、シーツを握っている自分の手──視界に微かに入るそれをぼうっとした頭で見ていた。


葉月くんが身体を起こす、ゆっくりとしたその気配。
そのまま彼に視線を送ると、なんだか困ったような顔で微笑まれた。


「……泣きそうな顔して」


呟きながら私の身体に覆い被さってきたその背中に両手を回して、ぎゅっと彼を抱き締める。


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