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キスの花束を
第5章 嫉妬と誤解
翌日、本部長付きの私は得意先への外出に着いて行くために
車に乗っていた。

スケジュールの確認をして
本部長が先方との会議の内容をもう一度確認すると言って
資料に目を通し始めたのでふと窓の外を見ると
あぁ。ツカサの学校の近くか。
そんな事を思っていたら
本当にツカサたちが校門から出てくるところだった。

ラグビー部であろうその子たちは
一様にガタイが大きくて思わず笑いそうになる。

そこに3人ほどの女の子が出てきて
その中の一人がツカサに腕をからませた。
そして一緒に何か笑いながら歩き出した。

車で通りかかったその短い間に
何か、1番見てはいけないその瞬間に立ち会ったような気がする。

でも、ほんの少し胸がザワリとするけれど
ヤキモチという感情とはまた違うような。

11も離れているからか
ヤキモチとは違う。

それって、心のどこかでやっぱり私たちは似合わないと思っているのかな。

「武田さん。ここの会議の予定時刻は?」
そう本部長に不意に聞かれても
「はい。2時間である程度のめどを付けてください」
と普通に答えられた。

あんな場面を見て。ショックじゃない事が不思議だった。
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