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キスの花束を
第5章 嫉妬と誤解
「それは、いけないね」

ビールをぐびぐびと飲みながら明日香は言った。
今日あった事を明日香に相談しようと思ったら
なぜか啓も着いてきた。

女子会に来ないでよ・・・

「ヤキモチ妬かないなんてオンナじゃないよ!」
「そう?」
「そうだよ。心の中であっちの子の方がお似合いだとか思ったんじゃないの?」

ギクッ

「ヤキモチ妬かないと女は綺麗にならないよ?」
「え?そうなの?」
「そうだよ。あんな女より私を見て。って思うから女は綺麗になるんじゃない」
「言われてみれば・・・」

「紗江子ちゃんさぁ。ライバルは司君の同級生なんだよ?
高3のぴちぴちギャルなんだよ?」
「あすか~ぴちぴちギャルって今時言うかぁ?」
「啓は黙ってて!」
「・・・はい」

軽く酔って説教が始まると明日香は誰にも止められない。
いつもホンワカ、カワイ子ちゃんの猫を被っている反動で
酔うと猫を脱ぎ捨てる。

「常にライバルを意識して!」
「うん・・・」
「紗江子ちゃん、私たち28歳でしょう?お肌の手いれは?
ウエストラインは大丈夫なの?」
「そ。そう言われると」
「でしょう?」
「明日から私と一緒にスポーツジムとエステに行くわよ!」
「え。そんな時間ないんだけど」

秘書の仕事って意外と遅くまでやる日が多く
早く帰れる日はこうやって二人と飲むか
ツカサに会いたい。

「はぁ?甘いのよ!紗江子ちゃんはぁぁ」
「・・・・」
「相手は高校生だよ?」
「うん・・・」

「今より綺麗になって見返してやりなよ!」
だ、誰を?
「綺麗になるまで司君に会っちゃだめ」
えぇぇ!
「ビックリさせるのよ!」
・・・・
「28歳が17歳に負けないってことを証明してみせるわ!」
な、何のために?

でも、こうなった明日香を止められる人は誰もいなかった。
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